※若干のネタバレを含みます
ついに、ついに来ましたね、ハミクリ続編の体験版。
またあの世界観というか空気感の作品を見られるのは素直に嬉しい。
今思えば、前作の体験版がリリースされた時は
意味があるのかよくわからない導入段階のあらすじや
主人公のキャラ、詩桜先輩周りの扱いについて色々言ってた(過去記事参照)ので
正直、ここまでハマるとは思ってなかった。
それでも製品版やろうと思ったのは、やっぱり言葉選びが面白かったからで
この作品、会話は勿論だけど地の文の心理描写が的確。
この場面ではそう思うだろうな、というのをピンポイントで突いてくるのが上手い印象がある。
最近のエンターテイメント作品は会話が重視されがちだけど、地の文あっての会話だと思っている地の文スキーとしては非常に好感触。
と、長々と前作の御託、もとい前置きはさておいてハミクリ凸体験版の感想をば。
率直に、一言であらわすと
天梨かわいい
こんな語彙力に問題しかない感想にしてしまっては各方面の方々に申し訳が立たないので真面目にレビューすると、本編にはなかった純粋な青春物というのがまず良かった。
前作はクリエイター要素がそれなりの部分を占めてて、いわゆる学園恋愛モノ感が薄かったのだけど、天梨ルートは学園恋愛要素満載で、これだよこれと早口になってしまうのも無理はないレベルで青春してる。
読者モデルってのがいい立ち位置で、専門のモデルではないし、声優やイラストレーター(学園に通ってるR18絵師ってなんだよ)とかそれら専門職と学園モノ組み合わせるのは流石に無理あるやろって前作の時は思ってたので、ぎり現実の学生でもありうるレベルだからこそ書けるんかなと。
読者モデルと声優の彼氏問題の違いにも言及されてて、声優やVなんかの人気商売の彼氏発覚は炎上するのに、同じ人気商売の読者モデルの場合は燃えるどころか称賛されるまであるのは何故なんだろうって素朴な疑問があった。
それに関して、読者モデルというのはあくまでファッションメーカーや雑誌の広告塔であって、想定しているのは読者の一般女性なのでアイドル的な疑似恋愛?感情労働ではないからという極めて真っ当な理由で納得させられてしまった。
それから、当然(都合の良いエロゲの住人なので)天梨に彼氏はいないのだが、
これに関しても、天梨としては男女別け隔てなく接したいのに、
周りが色恋に絡ませようとしてくるのが嫌で連絡先を教えていないという
割と現実的な説明がなされていてこちらも説得力があった。
こういう細かいところをエロゲ特有の超設定で誤魔化されると非常に気になってしまうタイプなので、きちんとした説明がされているのは好感触。
天梨の内面や華乃との対比も個人的にもかなり納得できる内容。
主人公や華乃は自分の趣味や感覚と近い人とだけ(厳密にはだけというのは語弊があるが)コミュニケーションを図れば良いと思っている(直接的に言及されてた華乃は特にだけど、他のハミクリヒロインも基本的には全員こちら寄りだと思う)のに対して、
天梨は自分と合わない、むしろ苦手な相手とでもなんとかしてコミュニケーションを取ろうと努力しているというのが印象に残った。
天梨はコミュニケーションが得意側の人間だと思っていたので、得意なことを最大限為せば成る的な他ヒロイン4人とは全く別の視点で書かれていて、続編だからこそのヒロインだなと思ったりした。
表向きコミュニケーションが不得手だが、言う時は言う自分は曲げない華乃と、
表向きコミュニケーションが得意だけど、調和を図るために自分のラインを超えることがあっても強くは言えない天梨が対照的だけど、それは天梨が苦手なりに頑張ってコミニュケーションを取っていたからの関係性だったんだなと理解できた。
前作ではサブだった天梨と華乃の関係が入れ替わっているのもあって、この二人の関係性がどうなるのかは気になるところ。
前作から張られていた各種伏線に関して
まず、最初のお城巡りの件はちゃんとルートに入るための選択肢にされていた。
このゲーム基本的に選ばなかったヒロインのルートの出来事も実際には起きていることになっていて、起こる問題は自分で解決したというていになっている。
なので、ここで誘ったからルートに入れたという前作ヒロイン達と同じ扱いになった。
これで、やっと攻略できるんやなって…
前から気になっていた下着姿誤爆の件、誤操作は本当で意図したものではないけど、主人公との会話画面開いてたから間違えて送ってしまったっていう、思ったより純情な理由で微笑ましくなった。
てっきり居場所なかったところを助けてもらったお礼で送ってきてあざといなと思ってたので、まんまとミスリードさせられてしまった。
いや、それより前に足触らせてたから純情ではないだろというつっこみはおいといて。
他にも細かいところなのだが、前作華乃√で天梨から水を貰うけど、二重の意味で頭を冷やすために飲まずに頭からかけたのは回し飲みを気にしてたからだったり、
序盤の天梨とのやりとりの諸々(困っていそうだったので助け舟を出したところや、天梨が怒らせてしまったのではないかと謝ってきたところの理由が生徒会の空気を乱されるのではないかと警戒してたからで主人公自身の落ち度を認めていたり)の本当の理由が詳細に説明されていたので前作を知っているとより楽しめる内容になっている。
また、そうした一貫した作りになっているので主人公としてのキャラがブレてないのは良い。
よく、続編になると主人公キャラ違くない?ってなるゲームも少なくはないので。
そして今回も山場になるであろう文化祭は本編から言っていたコスプレからどう繋げるんだろうと思っていたが、新制服のファッションショーをするという流れでそう来たかと。
正直、前作での朗読劇、ライブペイント、音楽ライブはさすがに盛り過ぎて一般の学生で出来るライン超えてるやろと思ってたので(話としては良いのだけどリアリティが薄い)
冒頭でも言ったように学園青春モノとしては現実味のある企画をオチに持ってくる方が面白いと感じた。
実際、生徒会でできそうなことって制服を変えるくらいのレベルのことだよなって(大抵は変わらないけども)。
創作物の世界における生徒会は権力が強すぎる。
ただ、それにしても服飾の知識について詳しすぎな気もしますが。ライターは一体何者なんですかね。
そういうわけで天梨が純情でかわいいだけじゃなく、ストーリー的にもどうやって周りを説得、納得させていくのかという個人的にも先がかなり気になるお話。
体験版をプレイした感想としてはこんなところ。
発売楽しみにして待ちます。