義理のメモ帳

ものおきば

ハミダシクリエイティブ製品版感想

以前日記に書いたように体験版では期待半分、不安半分といった感じだったのだけど、感想を書こうという気になったということはお察しの通り。

雑感としては、神ゲーとはいかないまでも期待以上の良作で、
キャラゲーとしてのキャラをうまく立たせつつ、
一部ルートではシナリオも楽しめるいい塩梅。

こういうのはノリと勢いで書いてしまった方が良いのでざっくりと。
そこそこネタバレするので気になる人はブラウザバック推奨。

 

とりあえずクリアした順で

常磐 華乃

体験版部分から相変わらずいいキャラしてる。妙にリアルな濃いオタク。
顔が良い(重要)のと神絵師ってことを除いたら、その辺にいてもおかしくない。
この手のゲームでオタクキャラ結構出てくるけど言動までオタクなのは珍しい。
セーブわよ、ロードわよという意味不明な用語が耳に馴染む。
余談だけど、一番ボイス登録機能を使ったのが華乃。

良かったシーンは夜の勢いから一線を超える馴れ初めと、告白のところ。

深夜テンションから若気の至りで致してしまうところ、
この手のゲームにしては珍しい入り方だなと思ったけど、あり寄りのあり。
割と現実的というか、一般的な付き合い方ってこんなもんだよなぁと。

告白のところは、ゲームの影響を受けすぎた主人公がゲームばりの大恋愛したいと言い出して、それに対して華乃が、自分には重い過去とか大恋愛になる要素はないって言ってたのに、それなり重い過去が出てきてちょっと微笑ましくなった。
いや、結構来るものはある話なんだけど。

体験版の時に疑問に思った義理堅さの件、結局のところ何故義理堅かったのかはよくわからなかったけど、異常に義理堅いということはよく伝わってきた。

付き合った後は全カップル中一番バカップル。あとシーンの"実用性"が高い。
同人作家なのでセリフがやばすぎる。(語彙力)

後、天梨がめちゃくちゃ活躍するので実質半天梨ルート。何故攻略できないのか。FDいつでもお待ちしております。

華乃ルートは一番オーソドックスというか、普通にラブコメしててキャラゲーってこういうのだよなってルート。


・錦 あすみ

体験版の最後でガチ拒絶されるのかと思ったらそんなこともなく、キャラは変わらず。
華乃とは逆にこんな子絶対いないだろ、オタクの妄想も大概にタイプ。

良かったシーンというか発言は"ごめんなさいいいいい頭おかしいですよね"と"上手に返せないのなら振るなよ"と"板でこすってんじゃねーよ、洗濯じゃねーんだぞ"の3つ。

最初のは雪景シキがバレるところで、これはあす虐したくなる。

上手に返せないのなら振るなよは妃愛が女体盛り云々について語ってるところで、唐突にマジトーンで返してくるので笑う。主人公他誰も突っ込まないのもシュール。その後もちょくちょく妃愛に対しては毒吐くの好き。

洗濯板のくだりはないずりのアレ。シーン中でも笑わせてくるのはずるい。
あすみには事後談話もあるし、実用性以外の部分のシーンでは結構好きなところが多い。

多分この辺はあすみの意図してる方の魅力ではない気がするけど、自分はそれが好みだった。

話に関しては割とVの話をがっつりやってたし、にわかの僕でも多少わかるようにはなった。現実的にありそうというか、現実に起きてる問題をピックアップしてたのでお仕事物要素は強め。

設定だけで投げっぱなしにならないか心配だったけど、ちゃんとVじゃないと成立しない終わり方で安心した。

あすみルートはキャラ要素半分、流行要素半分くらいな印象。

あと、ま/ど/そ/ふ/と公式によって本物の雪景シキが具現化したのが一番の功績。
Vをゲームに入れ込むよりこっちの方向のが健全。他意はないです。

公式のお気に入りだし、絵師の宇都宮つみれ氏も一番のお気に入りらしい。


・和泉 妃愛

共通ルートの最後の方で結構残酷な選択肢があって、いい意味で本当にキャラゲーなのかと。というかあんなのされたら妃愛以外選べませんて。ま/ど/そ/ふ/との妹はいつも気合の入り方が違う。

好きなシーンは卵事件からの告白、詩桜先輩にシンポジウムで迷惑かけた云々を主人公の前でバラされるところ、朗読劇かな。
後、特定のシーンではないけど、共通ルートや付き合った後も夫婦漫才というか兄妹のふざけたやりとりが好き。

表向き一番コミュ力高いけど、一番深刻なレベルでメンタルに来てるなと。華乃のメンタルの弱さとは別ベクトルというか。

卵事件はゲームの演出でデフォルメされてるけど、実際、某声優ライブで刃物事件とかもあったし、声優って演技以外のところでも大変だなと思ったりした。そりゃあメンタルにも来る。

朗読劇のところは話の核心なので詳しくは言えないけど、この兄妹特有の関係が明かされる。なんでこんなクズ主人公を完璧妹が尽くすのかって思わせておいて、この兄妹なら確かにそうなってもおかしくないなと思わされた。毎回、ま/ど/そ/ふ/との家族の話は纏めるのが上手くて素晴らしい。

あと主人公、クズだけどヘタレではまったくないね。これが本当に良かった。
メンタル弱いヘタレ主人公は見てて辛くなってくるものがあるけど、メンタル強い主人公は好感触。

それと、ヒロインの中ではというか、今まで数々の美少女ゲームをやってきたけど、日常的にアレを飲んでる描写があるヒロインって他にいましたっけ?ってのが一番印象に残った。実妹なら他にあっても良さそうなもんだが。

シーンの描写繋がりで、体験版であった~の声でヤってよ、実際にシーン中に言ってそれはファンに悪いから辞めてって釘刺されるのはちょっと笑った。

妃愛の中では声優の時とは別モードらしい。あすみはVと同化してるのでそういうのはOKらしくてこの辺の対比がキャラ出てて良き。

妃愛ルートはセンターヒロインにふさわしい話だった。
結構シナリオ寄りのルートだけどキャラも立ってて一番優遇されてる感じ。


・鎌倉 詩桜

体験版部分の後のシーンでまず好感度が上がった。というか普通にいい人。
悪く言えばよくある先輩ヒロイン…だったんだけど、ルートに入ってからは、なるほどそういう理由で…ってなる人。いい意味でライターの手のひらで踊らされていた。

好きなシーンは詩桜先輩の話というより、黒歴史小説の華乃とのやり取り、くじ引き生徒会長の真相、華乃と喧嘩するところ、病院での妃愛とのあれこれとか詩桜先輩以外のシーンが多かった。
そういう意味でシナリオに割くらった別の意味でかわいそうな人だなと思った。

最後のタイトル回収の部分、そういうやり方で時期副会長になるのは上手いなと思ったし、名字が嫌いと言っていた設定も生かされていた。

詩桜先輩のシーンに限定するなら、最後のシーンの縛りプレイとおまけの旅館ドライブかな。
縛りプレイは目覚めそうになるくらいは濃い描写。何がとは言わんが。

旅館ドライブは一番付き合ってる感あってよかった。
本編はあまりカップルしてなかったし、デレてるところが見られる貴重なシーン。
一応ツンデレっぽいけどあんまりデレないのよね。

詩桜ルートはシナリオ寄りのルート。種明かし的な要素が強い。


大まかにわけると妃愛と詩桜がハミダシ側の話、華乃とあすみがクリエイティブ側の話。ちゃんとタイトルに違わない展開になった上でタイトル回収してたのは良かった。

ルート入る前と後とでシステムボイス変わるのとか、ウインドウモードやセーブ画面で見られるサブタイトルが小ネタ効いてたり、細かいところも楽しめた。

歴史の比喩がよくわからんかったり、主人公のモノローグがやけに長かったり、多少はあれなところもあったけど、心理描写は丁寧だしキャラや設定も生かされていたので、概ね良かったように思う。(某所では今作のライターが他メーカーで有名だった人の別名義なのではと噂されているが真相は不明)